



cafe selen
兵庫県豊岡市にある、かつて電気店と住居として使われていた建物を改修し、カフェとオーナー夫妻の住まいを併せ持つ場へと再生しました。
長年地域に馴染んできた建物を受け継ぎながら、新しい営みを支える空間へとつくりかえています。
カフェ部分は、既存の間仕切りを取り払い、構造補強を施しながら、大きなひとつながりの空間としました。
高い天井のもとでゆったりと落ち着ける場所とし、光の差し込み方や空間の余白により、静けさと安心感を感じられるようにしています。
また、一部を減築してアプローチを設け、植栽をゆったりと配置することで、街から内部へと移り変わる体験を意識的につくり出しました。
住居部分は、改修範囲を必要最小限にとどめ、コンパクトに暮らせる計画としています。
道路に面するため、採光に工夫を凝らし、一部を吹抜とすることで上部から光を導き、明るさと開放感を確保しました。
建物の随所には、オーナー夫妻が自ら集め、磨き上げた古材や古建具が再利用され、空間に独自の温もりと深みを与えています。
家具や仕上げにはDIYも多く反映され、施主の手仕事が重ねられることで、既製の空間にはない親密さが生まれました。
街と建物、日常と非日常のあわいに立つようなこの場所は、訪れる人に穏やかな時間をもたらすと同時に、住まいとしての安心感も両立する場を目指しています。
用途・規模
飲食店、ショップ、住居
所在地
兵庫県豊岡市
竣工
2023年
施工
袖長建設株式会社
自主施工(DIY)
